健康診断とは

健康診断は、病気の早期発見・予防のために非常に重要なものです。
とくに生活習慣病やがんなど、初期には自覚症状のない病気に対しては、定期的な健診によって早期対応が可能となります。

当院では、八尾市の特定健康診査(特定健診)をはじめ、雇用前健診、定期健診、大腸がん検診(便潜血2日法)を実施しており、地域の皆さまの健康を守るお手伝いをしています。

特定健診について

特定健康診査(特定健診)は、40歳以上の方を対象とした、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)予防に焦点をあてた健診です。
高血圧、脂質異常症、糖尿病といった生活習慣病を早期に見つけ、生活習慣の改善や必要に応じた医療介入へつなげることが目的です。
当院では、八尾市の制度に基づいた特定健診を行っています。

特定健診の検査項目

  • 質問票(服薬歴、喫煙歴など)
  • 問診
  • 身体計測(身長・体重・BMI・腹囲)
  • 理学的検査(身体診察)
  • 血圧測定
  • 尿検査(尿糖・尿たんぱく)
  • 心電図検査
  • 血液検査
    脂質検査(中性脂肪・HDLコレステロール・LDLコレステロール)
    血糖検査(空腹時血糖又は随時血糖・ヘモグロビンA1C)
    肝機能検査(GOT・GPT・γ-GTP)
    腎機能検査(クレアチニン、尿酸)
    アルブミン・貧血検査

※詳細な項目(昨年度の健診の結果から医師が必要と判断した場合のみ実施)

  • 眼底検査

企業健診について

企業健診は、労働安全衛生法に基づき、雇用前や定期的に従業員の健康状態を確認するために実施される健診です。
従業員の健康管理を行うことで、職場全体の生産性向上や、病気による長期離脱の予防にもつながります。
当院では企業様向けに柔軟な健診プランをご提案し、スムーズな受診対応を行っています。

雇用前健診の検査項目

労働安全衛生規則第43条では、労働者を雇い入れた際に、健康診断を行うことが義務づけられています。検査項目は次のとおりです。

  • 既往歴、業務歴の調査
  • 自覚症状、および他覚症状の有無の検査
  • 身長、体重、視力、聴力の検査、および腹囲の測定
  • 胸部X線検査
  • 血圧の測定
  • 貧血検査(血色素量、赤血球数)
  • 肝機能検査(AL T、AST、γ-GT)
  • 血中脂質検査(LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライド(中性脂肪))
  • 血糖検査(空腹時血糖、またはHbA1c)
  • 尿検査(尿中の糖、および蛋白の有無の検査)
  • 心電図検査(安静時心電図検査)

など

定期健診の検査項目

事業者は年に1回(深夜業や坑内労働などの特定業務従事者は年2回)以上、定期的に下記項目の健康診断を行わなければなりません(労働安全衛生規則第44条)。
検査項目は雇用前健診と同様です。

大腸がん検診について

大腸がんは、日本人のがん罹患数で上位に位置する疾患で、特に高齢者に多く見られます。
初期の段階ではほとんど自覚症状がなく、知らないうちに進行していることもあります。
進行すると血便、便通異常、腹痛、体重減少などがみられるようになります。
定期的な大腸がん検診を受けることで、がんの早期発見・治療が可能となり、生存率の向上にもつながります。

便潜血2日法について

便潜血検査は、2日分の便を採取し、血液が混ざっていないかを調べる検査です。
大腸ポリープや大腸がんがあると、便に微量の血液が混ざることがあり、それを検出することで病気の早期発見が期待されます。
検査自体は簡便で、痛みもなく、自宅で採便が可能です。
陽性となった場合は、より精密な検査(大腸カメラの検査)が必要となります。

大腸カメラ検査について

便潜血検査で陽性だった方は、早期に大腸カメラ(大腸内視鏡)検査を受けることが推奨されます。
大腸カメラでは、実際に大腸内を直接観察し、ポリープやがんの有無を詳しく確認することができます。
当院では大腸カメラ検査も実施しており、検査前の準備や検査後のフォローも丁寧に対応いたします。

大腸カメラについて詳しくはこちら

治療では原因疾患のコントロールが最も重要で、必要に応じて合併症に対する治療を行います。
生活習慣の改善も進行抑制には重要で、栄養バランスのとれた食生活、禁酒もしくは節酒などを進めていきます。
現在、肝硬変は根治させる治療法が確立していないため、早期診断と継続的な管理が必要になります。