高血圧症

一般的な高血圧症の診断基準は以下の通りです。

血圧は運動や緊張などによって一時的に上がるときもありますので、一度の測定ではなく、繰り返し測定しても基準値を超えている場合に高血圧と診断されます。
なお、家庭で測定した場合より、診察室で測定した方が血圧は高くなる傾向にありますので、上記のように基準が分けられています。

高血圧は放っておくと心筋梗塞や脳卒中、腎不全などの深刻な合併症を引き起こすリスクが高まります。
健診などで高血圧を指摘された方は、お早めにご相談ください。

原因となる主な生活習慣として以下が挙げられます

高血圧でとくに注意すべき生活習慣が、食事などにおける塩分の摂り過ぎです。
これは、体内の塩分濃度が上昇すると、体が塩分濃度を下げようと水分を保持するため、血液量が増加することによると考えられています。

このほか、腎実質性高血圧症や原発性アルドステロン症など、別の病気が原因であることが明らかな高血圧症もあります。
これは「二次性高血圧」と呼ばれています。
40歳未満で高血圧を指摘された場合や、急激に血圧が上昇した場合は、この二次性高血圧であることが疑われますので、早めに検査を受けることをお勧めします。

血圧の高い状態が続くと、以下のような症状が現れることがあります。

こうした症状がある場合は、すでに血圧がかなり高くなっていることが考えられるため、速やかに受診することが大切です。

脳卒中（脳出血・脳梗塞）

動脈硬化により脳の血管が詰まったり破れたりすることで、脳の細胞が障害される病気です。突然の麻痺や言語障害を引き起こします。

心筋梗塞・狭心症

心臓の血管（冠動脈）が動脈硬化で狭くなり、血流が不足すると狭心症、完全に詰まると心筋梗塞を起こし、激しい胸の痛みを伴います。

慢性腎臓病（CKD）

腎臓の細かい血管が動脈硬化で損傷されることで、腎機能が徐々に低下していく病気で、高血圧のほか、糖尿病が主な原因ﾄなります。

大動脈瘤・大動脈解離

動脈硬化により血管の壁が弱くなり、こぶのように膨らむのが大動脈瘤、裂けるのが大動脈解離で、破裂すると命に関わる危険があります。

これらの合併症は、ある日突然発症することが多く、事前に自覚症状がない場合も少なくありません。日頃からの血圧管理が何よりも重要です。

生活習慣の改善

薬物療法

生活習慣の改善だけでは十分な血圧コントロールが難しい場合には、降圧薬と呼ばれる薬を使用します。主な薬には以下のような種類があります。